このケースの問題点
「遺産は全て兄に相続させる」という父の遺言書が兄の偽造だと発覚、その後兄は法定相続分を主張し始めました。
「遺産は全て兄に相続させる」という父の遺言書が兄の偽造だと発覚、その後兄は法定相続分を主張し始めました。
兄は、この相続に関して相続欠格者にあたり、裁判所の手続をするまでもなく、相続権を失うことになります。
相続欠格とは、相続において不当に自己の利益を図った相続人への制裁として、相続権を失わせる制度です。
生命に対する侵害をした者、遺言に対する侵害をした者が相続欠格者にあたります。
前者は、被相続人や他の相続人を死亡させて刑に処せられた者です。
後者は、遺言書を偽造した者のほか、遺言書を捨てたり、隠したり、また、被相続人(今回の場合は父)を強迫して書かせた者などがあてはまります。
ただし、兄が相続欠格者として相続権を失っても、兄に子がいれば、その子が代わりに相続権を取得します。