| 相続財産（遺産） | 関係者 | 問題点 |
|---|---|---|
| 1.不動産：土地、戸建住宅 2.定期預金：200万円 |
・被相続人の法定相続人である兄弟 ・被相続人と内縁関係にある女性A |
自筆証書遺言書に押印がされていない |
事例ケース
このケースの問題点
前提として、内縁関係にある女性Aは法定相続人ではありませんが、有効な遺言書があれば被相続人の遺産を取得することができます。
本件では、被相続人は「全ての財産をAに与える」という内容の遺言書を残し死亡しました。
被相続人の兄弟に遺言書を見せたところ、「これは印鑑がないので無効。全財産を引き渡すように」と言われました。
このケースの解決事例
自筆の遺言書は、法律で定められた極めて厳格な要式があります。
1. 本文・日付・氏名を全て自分で記載
※ただし、法改正により、2019年1月13日から相続財産の全部または一部の目録を添付する場合は、その目録についてはパソコンで作成したものでも良いとされました。
2. 印鑑を押すこと
（自分で遺言書の内容を考え、自力で書くことができることを前提とする）
この条件を満たしていなければ遺言は無効となります。今回の事例のケースも印鑑がないため無効となってしまいます。
※ただし、生前の被相続人との協議の内容次第では、遺言書としては無効であっても死因贈与として有効となる場合があります。