相続税も贈与税も、共に財産を譲り受けた側に支払う義務のある税金ですが、大きく違うのは、相続税は財産を譲る人(被相続人)が亡くなっているのに対して、贈与税は財産を譲る人(被相続人)が存命である点です。また、税金の基礎控除の額や、課税金額にも相続税と贈与税で大きな違いがあります。贈与税は、相続税逃れがないように考えられた税法であり税率が高めに設定されているため、注意が必要です。
贈与税とは
誰が贈与税を払うのか
贈与税は、個人の死因贈与を除く贈与により財産を取得した場合に課税される国税です。贈与によって財産を取得した個人が納税義務者となりますが、贈与税の税負担の公平を図るため、社団等や公益法人等も個人とみなして納税義務者になることがあります。また贈与税の納税者義務は、財産を譲り受けた時点で、相続人の住所が日本国内にある場合と国外にある場合とで異なります。
→贈与税を納める人について
どの財産に贈与税を払うのか
贈与によって取得したすべての財産(本来の財産)と、本来の財産同様の経済的利益を伴うとみなされるもの(みなし財産)について、贈与税が課税されます。
→どのような種類の財産が課税されるかについて詳しく知りたい方はこちら
財産がどう評価されるのか
贈与税のかかる財産は、相続税がかかる財産とほぼ同じです。ただ、贈与税は無償での財産の取得を前提として設けられているため、相続税のように債務控除(マイナスの贈与財産)という考え方はありません。
→財産の評価方法について詳く知りたい方はこちら
どのくらい贈与税を払うか
贈与税は基礎控除という一定の控除枠が設けられており、贈与税の基礎控除額は年間110万円です。個人から年間110万円を超える財産をもらった場合に、贈与税がかかります。贈与税の税率は高く、3,000万円を超える贈与(一般贈与)では、55%の税率が適用されます。
→贈与税の計算方法について詳しく知りたい方はこちら
どのように納税すればいいか
贈与税の申告は基礎控除の110万円を超えるとき、また贈与税の配偶者控除や、住宅取得等資金の贈与に係る非課税措置の特例を受ける人は、納付税額がない場合でも申告が必要です。
→贈与税の申告のやり方について