暦年課税贈与税とは
通常の贈与税
贈与税は、年間110万円までは非課税枠にあたります。これを利用して毎年約110万円程度の贈与を行うという方法があります。財産の移転に時間はかかりますが、最も確実で安全な方法です。主に同族会社の株式贈与や現金贈与等の際に利用されます。名義変更で登記等が必要な不動産には向きません。
暦年課税の贈与税の計算について
通常の贈与税
贈与税は、年間110万円までは非課税枠にあたります。これを利用して毎年約110万円程度の贈与を行うという方法があります。財産の移転に時間はかかりますが、最も確実で安全な方法です。主に同族会社の株式贈与や現金贈与等の際に利用されます。名義変更で登記等が必要な不動産には向きません。
暦年課税の贈与税の計算について
贈与税の負担を大幅に軽減し、財産の早期移転を促進するために設けられた制度です。
非課税で2,500万円までの贈与が可能です。
もし、贈与財産の価格が非課税金額を超えた場合には、通常の贈与税の税率と異なり超えた金額に20%の贈与税が課せられます。
※相続時精算課税制度は上記の金額までの贈与税は非課税ですが、相続の際に相続財産に組み込まれて相続税の対象となるため、完全な非課税ではありません。また、大きな贈与をして相続時精算課税制度で贈与税を払った場合、その贈与税は「相続税の前払い」という形になり、相続発生時には相続税から控除して精算されます。
相続時精算課税の適用を受けるための要件等
※1:贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日の間に贈与を受けた人の住所地を管轄する税務署に提出。
※2:途中で暦年課税制度への移行は不可。
配偶者から居住用の不動産、またはこれを購入するための資金を贈与されたときに、最高2,000万円まで贈与税から控除されるのが、贈与税の特例の「贈与税の配偶者控除」です。贈与税が節税できるとともに、先に贈与で財産を移転すれば将来の相続税の対象とならないため、相続税の節税にもなります。
贈与税の配偶者控除の要件等
・婚姻期間が20年以上経っている配偶者からの贈与であること
・以前に配偶者控除を受けていないこと(同一夫婦間で1度だけ)
・贈与財産は、居住用不動産もしくは居住用不動産の取得資金のいずれかであること
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与された(又は取得した)居住用不動産を居住の用に供し、その後も居住する見込があること
・贈与税の申告を申請していること
相続時精算課税制度 | 暦年課税制度 通常の贈与(110万円贈与) |
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贈与者 | 60歳以上の親及び祖父母(住宅取得資金の場合、年齢制限なし) | 制限なし。親族間のほか、 第三者からの贈与を含む。 |
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受贈者 | 20歳以上の子供(代襲相続人を含む)及び孫 | 制限なし | |
贈与時 | 非課税枠 | 贈与をする人ごとに生涯にわたり2,500万円(特別控除額)。 | 贈与を受ける人ごとに毎年、年間110万円(基礎控除額) |
税金 | (貰った価額-2,500万円)×20% | (貰った価額-110万円)×超過累進税率 | |
計算期間 | 届出後相続開始まで | 暦年(1/1か12/31) | |
申告 | 非課税枠内でも、適用を受ける子供は、贈与を受けた翌年の2/1から3/15までに申告 | 非課税枠内であれば、申告不要(配偶者の特例の場合、申告必要) | |
納付 | 贈与税がある場合は納付し、相続時に精算 | 贈与時に完了 | |
相続時 | 税金 | 相続財産に贈与財産(贈与時の価額)をプラスして相続税の計算をする | 贈与財産は、相続税の計算には関係しない。ただし、相続開始前3年以内に贈与した財産は相続財産にプラスして相続税の計算をする |
贈与財産の価額 | 贈与時の価額(時価) | 贈与時の価額(時価) | |
過大贈与税額 | 還付 | ― | |
節税効果 | ない。2500万円の非課税枠はあるが、すべて相続時に合算されて相続税がかかる。ただし、贈与時の価額で合算されるため、その財産が相続時に値上がりしていれば、間接的に節税になる。 | ある。贈与財産は、相続時に計算の対象外になる。よって、その分は、財産を少なくし、結果的に相続税が安くなる。 | |
メリット | 一度に大型贈与がしやすい | 相続財産を減らすことが可能。結果的に相続税が安くなる。 | |
デメリット | 相続税を安くすることができない。また、一度この制度を選択すると、その贈与者については、暦年課税制度が使えなくなる。 | 一度に大型贈与がしにくい |