①税務調査の確率が極端に下がります!
2017年度の税務調査の割合としては、申告者数111,728人に対し、実地調査件数は12,576人となっており、約8人に1人(約12%)の方が税務調査の対象となっています。
その内、申告漏れ等の非違件数は10,521件となっており、約85%の方が申告漏れを指摘されているのが現状です。
【税務調査の実態】
|
項目 |
2016事業年度 |
2017事業年度 |
対前事業年度比 |
① |
実施調査件数 |
12,116件 |
12,576件 |
103.8% |
② |
申告漏れ等の非違件数 |
9,930件 |
10,521件 |
106.0% |
③ |
非違割合(②/①) |
82.0% |
83.7% |
1.7 |
④ |
重加算税賦課件数 |
1,300件 |
1,504件 |
115.7% |
⑤ |
重加算税賦課割合(④/②) |
13.1% |
14.3% |
1.2 |
⑥ |
申告漏れ課税価格 |
3,295億円 |
3,523億円 |
106.9% |
⑦ |
⑥のうち重加算賦課対象 |
540億円 |
576億円 |
106.7% |
⑧ |
追徴税額 |
本税 |
616億円 |
676億円 |
109.7% |
⑨ |
加算税 |
101億円 |
107億円 |
106.7% |
⑩ |
合計 |
716億円 |
783億円 |
109.3% |
⑪ |
実地調査
1件当たり |
申告漏れ課税価格(⑥/①) |
2,720万円 |
2,801万円 |
103.0% |
⑫ |
追徴税額(⑩/①) |
591万円 |
623万円 |
105.3% |
※1 2017年は年間申告件数が約11万件のため、12%程度(8人に1人)は税務調査の対象になっています。
※2 税務調査対象の約85%は追徴課税され、ペナルティが生じています。 |
上記の表からも分かるように、相続税の税務調査については調査が入るとかなり高い確率で追徴課税がされるということです。
具体的な税務調査の指摘事項としては、例えば、名義預金や生前贈与などが指摘されていることが下記の表から読み取れます。
税務署の調査対象の選定にあたって、書面添付制度が参考にされています。
過去のお金の出金内容が詳細に記載された書面添付を確認することで、税務署は、税務調査に入らずとも疑問点を解消することができるようになります。
その結果、税務調査の確率を大幅に引き下げることができます。
②万が一のペナルティを軽減できます!
税務調査は、申告書を提出してから数年以内に入ります。
通常の税務調査の流れは、まず、事前に税理士に調査日の連絡が入り、日程を調整します。
その後、ご自宅等で税務職員との面談になります。
一方、書面添付制度を活用している場合は、税務調査の前に、意見聴取(税理士が意見を述べる)の機会が与えられます。
税務署が申告書で気になる論点を、税理士に確認していきます。
このとき相続人の立会いは不要です。
この意見聴取の時点で、誤りや申告漏れが見つからなければ税務調査へ移行しません。
そして、万が一、申告漏れ等の指摘を受けたとしても、通常生じるペナルティ(加算税)が生じません。
(ただし、利息としての税金である延滞税はかかります。)
【留意点】
書面添付制度は、税理士が作成した申告書に自らの“お墨付き”を与えるようなものです。
そのため、申告書の内容について、十分に検討し、自信をもって書面に記載する必要があります。
そのため、以下のような場合は書面添付制度をお受けできないことがありますのでご留意ください。
- 依頼した資料(過去6年間の通帳又は移動明細を含む)をご提示いただけない
- 過去の不明な入出金の調査についてご協力頂けない
- 親族間の資金移動(贈与や貸付等)の有無について、相続人全員の確認ができない