納税猶予制度改革!!中小企業の味方となるか?
2017.11.24
皆様こんにちは。
福岡市、北九州市と関東に事務所を構える相続・事業承継に強い税理士法人アイユーコンサルティングです。
「中小承継へ税優遇拡大」。11/22(水)の日経新聞の1面に掲載された見出しです。
中小企業の事業承継を推進する相続税及び贈与税の特例「事業承継税制(非上場株式の納税猶予制度)」は、使い勝手が悪くあまり表舞台に上がっていませんでした。
一方で日本の事業承継はうまく進んでおらず、2025年には130万社近い中小企業が廃業の危機に陥る見通しだそうです。
事業承継はもう待ったなしで進めないといけない、そういった背景もあり、今後10年間の時限的措置として、大幅な要件緩和が予定されています。
具体的には、
①納税猶予対象株式:【現行】発行済株式総数の2/3→【見直し後】全株
②納税猶予額:【現行】(相続税)課税価格の80%→【見直し後】(相続税)増額検討 ※贈与税は現行制度で全額です
③雇用要件:【現行】雇用の8割以上を5年平均で維持→【見直し後】条件付きで撤廃
が予定されているそう。また、10/29(日)の読売新聞記事によれば、猶予ではなく免除にすることも検討されている様です。
特に注目すべきは③雇用要件の緩和です。
現行の納税猶予制度では、適用を受けて猶予される税額について、その後雇用要件を充足しないことになった場合、猶予税額と多額の利子税の納税が必要となります。先の読めない経済状況・経営の中で、雇用の8割維持に縛られることは相当なリスクです。この要件がネックとなって事業承継税制は世に広まっていないといっても良いので、雇用要件の緩和により、当制度の適用件数の増加は間違いないと考えます。
しかしながら、これですべてがめでたしめでたしとは言い難いです。
あくまで事業承継税制は税金のお話。株式の承継が容易になっても、他の相続人への配慮を忘れてはいけません。遺留分は、原則相続開始日時点の時価で算定します。固定合意や除外合意は相当に厳しいです。事業承継は、株式の承継はもとより相続問題もセットで考えなければ本当の解決とは言えないのです。
アイユーコンサルティングでは、広い視野を持って、中小企業様の本当の事業承継を実現します。
ご相談がありましたら、ご遠慮なくご相談下さい。
代表社員 出川